ストーリー

陸奥(今の青森県)の国、岩木判官は鬼倉陸奥守に身に覚えのない罪をきせられて罰せられてしまう。 残された妻子たちは、鬼倉の迫害を逃れて京の都へと向かう。
母、安寿、厨子王丸、そして侍女の菊乃の一行四人は、越後(今の新潟県)まで来たが、 宿を借りることができずに野宿をしていると、そこへ男が寄ってくる。
困っているのを見かねたのだというその男の「由良への船便があるから」と言う 言葉にすっかり騙された安寿らは、母親と菊乃、安寿と厨子王丸という具合に、別々の船に乗せられて、母親らは佐渡へ、そして子供たちは由良へと運ばれ、山椒太夫に売られてしまう。
それからつらい日々が続いたが、ある日安寿は密かに厨子王丸を逃し、自らは池に身を沈める。京の都へ向かった厨子王丸は、関白の庇護のもとに立派に成長し、出世して陸奥守となるや母の消息をもとめて佐渡に渡り、ようやく再会を果たすのであった。

解説

名高い伝承を題材にとり、華麗かつ格調高く、いわば動く大和絵としての風格を備えた 情感あふれる秀作です。すみずみまで神経の行き届いた画面作り、感動を誘う 登場人物たちの演技は、それが絵の世界であることを忘れさせるほどに、 見るものの心をうちます。
日本人の感性、魂、美意識のすべてがここに結実しており、 日本文化の精髄を、その高い精神性を損なうことなく、わかりやすく親 しみやすいものとして展示した、動く絵巻物と言っても過言ではありません。

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