師走で人間界の街は大忙し。誰も彼もが忙しく働き、走り回っている。その様子を見て喜んでいるのは、人間の忙しさを吸って自分の力にしている妖怪いそがしだった。いそがしは、忙しい人間が放つ忙しオーラを増幅させて、その人間が倒れるまで忙しく働くのを楽しんでいた。高校を休学して運送会社で働いている哲也は、父親を亡くし、女手一つで育ててくれた母親が過労で倒れて危篤状態になり、幼い妹と二人暮らしだった。所長は哲也が妹を迎えにいくために帰るのを見送って、一息いれようとしていたが、いそがしに目を付けられてしまった。