ストーリー

フランスとスイスが国境を接する中部ヨーロッパ。人々が訪れることもない深い山々の中に、小さな湖がありました。その湖にポッカリ浮かぶ島、そこに“世界で一番小さい”リルル村があります。身の丈二十センチにも満たない、ちっちゃなメモルたち二百四十六人のリルル星人の村です。彼らは宇宙船の事故で地球に不時着し、故郷に帰る日を待っているのです。ある日、メモルはワシに襲われた小鳥を助けるのに夢中になり、それまで行ったことのない森に迷い込んでしまいました。そして、そこで見たのはリルル星人とそっくりですが、メモルよりも十数倍も大きな“人間”の女の子がピアノを弾いている姿でした。その女の子はマリエルといって、病気を治すために静かな山荘で家庭教師の先生とさびしく暮らしていたのです。メモルとマリエルはすぐに仲の良い友達になりました。そして、メモルはマリエルに遊ぶこと、食べること、走り廻ること、……子供なら誰でも胸をワクワクさせることを教えてあげたのです。そのためか、マリエルはみるみる内に健康を取り戻しました。しかし、元気になったマリエルは学校に帰らなければなりません。それは、二人にとって辛く悲しい別れでした。マリエルがサンロワーヌの音楽学院に行ってしまうと、メモルはマリエルを追って行きました。学院でのメモルとマリエルの生活は二人を結ぶ絆を一層かたいものにしました。メモルは“人間”の社会を見ることで成長しましたし、マリエルは思いやり深くなって行きました。冬休みになり、マリエルはメモルを連れて山荘に戻り、メモルは久しぶりに懐かしいおじいさんや仲間のポピットたちと再会しました。しかし、楽しく思いで深いメモルとマリエルの生活も終わりを告げる日が近づいて来ました。メモルたちがリルル星に帰れることになったのです。

解説

1984年3月に放送開始されたこの作品は、当時TV作品としては数少ない東映アニメーションのオリジナル企画作品。美術デザインの土田勇氏とキャラクター原案の名倉靖博氏、そしてチーフディレクター葛西治氏および脚本家雪室俊一氏らの手により、オリジナル作品ならではの魅力ある物語が形づくられ、他に例をみないほど精緻で優しい世界観が構築されました。現在でもアニメ界の第一線で活躍中の演出家、佐藤順一氏、貝沢幸男氏が演出として活躍し始めたのもこの作品の頃から。
本作中には人間の手のひらに乗るほどのサイズのリルル星人という主人公メモルたちの小さな世界の可愛らしい生活の様子と、人間である女の子マリエルの触れ合いがキメ細かに描かれています。人の優しさと友情について、学んで欲しいとき、小さな子供たちに向けて語り継がれて欲しい作品であると言えます。

ストーリー
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