おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ

CS放送

第 12 話7人目の魔女見習い ~のんちゃんのないしょ~

2004/11/27放送
脚本:栗山 緑 演出:佐藤順一/中尾幸彦 作画:馬場充子/西位輝実 美術:ゆきゆきえ/塩崎広光

街路樹の梢に秋が静かに深まる頃、どれみは新しい友だちに出会いました。名前はのぞみ、みんなからは〝のんちゃん〟と呼ばれています。のんちゃんは重い病気で入院している女の子。 自分の方がつらいのに、いつも他の子をはげましてくれる、とってもいい子です。のんちゃんは魔法に興味があって、退院したら本物の魔女に弟子入りしようと思っています。特技はトランプの神経衰弱。すごく強いのんちゃんは、まるで本当の魔法を使ってるみたい。どれみはのんちゃんの病室に通って、トランプで魔女の修行を始めることにしました。
もしも本当の魔女になれたら、お母さんと雪合戦をしたり雪だるまを作ることだってできるのに。でも今は、病室のガラス窓越しに、静かに降る雪を見つめるだけ。街路樹の葉が舞い散る頃、のんちゃんは無菌室に入ることになりました。今は何の力になってあげることもできない。だからどれみは、きっと退院してくるのんちゃんのために、大きなプレゼントを用意することにしました。のんちゃんを7人目の魔女見習いにしてくれるよう、魔女界の女王様にお願いして欲しい。どれみとMAHO堂のみんなは、マジョリカにそう頼んだのです。
元の病室に戻ったのんちゃんですが、会いに来たどれみの顔を見ると哀しそうに呟きます。ずっと苦しいことばかり。魔法なんて本当は、全部ただの夢なのかもしれない……。その夜の12時、どれみたちは魔女服の格好のまま、のんちゃんの前に現れます。魔法って本当にあるんだよ。秘密の呪文を唱えたら、同じ病室の仲間たちの夢だって叶えることができる。魚になって広い海を泳ぎ、空飛ぶ馬車で散歩して、宇宙から地球をながめる、みんなの夢。魔女になってみんなの夢を叶えてあげることが、のんちゃんの夢。
薄曇りの空が凍える頃、のんちゃんは集中治療室に入ることになりました。がんばれ、のんちゃん。ガラス越しに励ますことしかできないけれど、すごいニュースがあるんだよ。女王様が会ってくれるんだって。本当の魔女になるって夢が叶うんだよ。だから頑張れ……のんちゃんが亡くなったのは、雪が降りやんでよく晴れた朝のことでした。雪合戦をすることも、雪だるまを作ることも出来なかったのんちゃん。本当の魔女にはなれなかったのんちゃん。だけど優しさや、思いやりや、秘密を分け合った夜のことや、たくさんの宝物を残してくれた。 ずっとずっと、忘れないよ。
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