はじめと美雪はあるひったくり事件をきっかけに一人の刑事と出会う。かつて警視庁捜査一課で明智警視の部下だったという小林竜太郎は、はじめと美雪が出会う前の警部だった頃の明智をよく知る人物だった。小林に、警察官になるために生まれたきたような人物と言わしめた若き頃の明智。そして、小林が明智と初めて捜査に臨んだ少年事件。はじめと美雪は小林の語る明智の物語に次第に興味を覚え始める。
その日、小林は書店で万引き行為を働く不良高校生・貴島洋平の姿を目撃した。すぐさま貴島を現行犯で捕まえ、鞄の中身を確認する小林だったが、結局鞄から盗品は見つかることはなく、逆に貴島から名誉毀損で訴えると脅されることに。自分の父親は国会議員の貴島順一。貴島の言葉に小林が一瞬ひるんだ時だった。颯爽と現れる明智。明智は貴島の鞄の中身を一瞥し、貴島のスマホを操作して悪友の山田を呼び出す。そして、山田の鞄を調べるとなんとそこには盗品が。貴島は万引きした後、山田と自分の鞄を交換していたのだ。
万引き事件を無事に解決し署に戻った二人だったが、そこに捜査一課課長から呼び出しがかかる。貴島順一からクレームが来たというのだ。
書店に口止めし、この件から手を引くように命令された小林は捜査一課の方針に納得できず、苛立ちを募らせる。だが、そんな小林に明智は言う。「君には君にしか成し得ない正義がある」と。事情を説明するため再び書店にやって来た二人。しかし、そこで二人は思いがけないことを聞かされる。なんと貴島は一週間前も同様に万引きしようとしていたのだ。もしかして、今回の万引きは未遂に終わった前回の仕返しではないか。鞄をすり替えたのもその工作の一環だった可能性がある。貴島を捕まえて欲しい。何故警察が捕まえることができないのか。
涙ながらに懇願する店長の姿が脳裏から離れない小林は明智に言う。「オレはあの店長さんみたいな被害者のために刑事になりたいと思ったんです」。それは明智の「君にしか成し得ない正義」に対する小林なりの答えだった。
熱き正義の心を胸に、再び立ち上がった明智と小林。しかし、そんな二人を新たな事件が待ち受けていた。