部屋の整理をしているはじめに届いた一通の電報。それは、かつてのカブスカウト仲間の他界を知らせるものだった。6年前、風邪を引いた美雪は不参加だったが、はじめは白狐村で行われたカブスカウトのキャンプに参加していた。その内の一人、月江茉莉香が亡くなったというのだ。はじめは美雪を連れ立って、6年ぶりに思い出の地、白狐村を訪れる。そしてそこで、カブスカウトの最中に一緒に遭難し、「遭難10人組」と呼ばれた当時の仲間たちと再会する。桃瀬心平、蝉沢忍、緋森美咲、鐘本あかり、梨村亮、神小路陸、乾光太郎、霧谷凛。凛は父親が茉莉香の母と再婚しており、ここ白狐村でともに暮らしていた。だが、そんな凛の口から茉莉香の死に纏わる驚くべき事実が語られる。茉莉香は2ヶ月前に亡くなっており、しかも病死や事故死ではなく何者かによって殺されていたのだ。裸に白い布をまとい、白狐のお面を被らされ、土蔵の中遺体となって発見された茉莉香。白狐に見立てられたその姿に村は祟りだと騒然となったが、いまだに犯人は捕まっていなかった。そこへ来ての今回の電報。はじめは嫌な予感を覚えるが、その日の夜行われる狐火流しの話を聞き、皆で茉莉香の供養をしようと決める。凛は茉莉香の代わりに白狐様への嫁入りする花嫁役を務めることになっていたので、はじめたちは凛の分も狐火を流すことにするのだが…。
夜、はじめは美雪、心平、美咲、陸と灯籠の流し場へ向かっていた。途中、はじめたちは白狐神社にいる凛の元へ立ち寄る。花嫁役は話すことは出来ないが、白狐の面をつけた凛ははじめたちに向かって小さく手を振ってみせた。はじめたちはその後、灯籠の流し場であかり、亮、忍と合流。光太郎は姿を現さなかったものの、はじめたちは先に灯籠を川に流して黙祷することに。この時は、誰も気づいていなかった。茉莉香の死を悼み、手を合わせているこの中に、茉莉香を殺した真犯人がいるということに。
事件が起きたのははじめたちが凛の家に帰ろうとした時だった。川面の遠くから並んで流れてきた2つ灯篭。そして、灯籠の後ろに結わえられたゴムボート。不審に思い、ボートに駆けつけたはじめたちが見たもの。それは白狐の面を被らされ、息絶えた光太郎の亡骸だった。