暴れん坊力士!!松太郎

TV 番組

第 13 話千秋楽

2014/07/13放送
脚本:大和屋 暁 演出:門田英彦 作画:中島 深 美術:鹿野良行

松太郎の初土俵から、はや二週間。とうとうこの日がやって来た。今場所での最終日…、つまり千秋楽である。これまでの取り組みに全て勝利してきた松太郎。その最後の相手は、誰もが知っている有名力士であった。その名は、近藤。学生相撲を経て、先場所に松太郎と同じく幕下突出しでデビューし、全勝優勝を果たした天才だ。更に、品行方正・稽古熱心・基本に忠実と、全く隙がない。おまけに爽やかなハンサムと、まさしく松太郎とは真逆の力士であった。今場所も負け知らずで、既に十両昇進が決まっているという。今回ばかりは、いくら松太郎が強かろうと、勝てるかどうか…。
パワーだけなら松太郎が上。だが近藤は、万能タイプで何でも出来る力士なのだ。とあれば、まともに当たるのではなく、立ち会いで変化させてくるはず。それならば…、と、松太郎のために近藤対策を練ってくれる同門の力士たち。ところが当の松太郎は、ザコ相手に小細工など必要ないと、全く聞く気ナシ。根拠はないが、どうにも近藤が気にくわないらしい。絶対にギタギタにしてやると誓う松太郎であった。そして松太郎らは知る由もないが、近藤もまた、小細工を弄するつもりはなかった。一度きりの立ち会いなら、変化させてもいいだろう。だが、今後何度も取り組む相手に対して、最初から逃げる訳にはいかないと言うのである。
そしてやがて、立ち会いの時間がやって来た。松太郎と近藤、これまでどちらも黒星なし。両者のうち、この一番で勝った者が、幕下全勝優勝となるのだ。土俵へと上がって、時間いっぱい、待ったなし。互いに見合って…、両者の瞳には、殺気にも近い闘志が宿っていた。松太郎が近藤を気にくわないのは先に述べた通りだが、近藤もまた、松太郎を良く思っていなかったのだ。本来、力士というのは伝統に倣い、従う者。にも関わらず、松太郎の非常識でルールを無視した振る舞い。神聖な大相撲を侮辱した松太郎を、許すわけにはいかない! 二人の闘志が交錯し、ついに…はっけよい、のこった!
瞬間、正面からぶちかまし合って、互いに吹き飛ぶ松太郎と近藤。両者、何とか残って、続いては張り手の応酬となった。しかし、軽くいなされ、土俵際へと追い込まれてしまう松太郎。何とか押し返して喉輪を取るも、近藤は華麗に切り返してきた。両回しを取られ、松太郎には後がない。もはやこれまで!? だが窮地のなか、松太郎が近藤の後ろ回しを取り返した。繰り広げられる限界寸前のせめぎ合い。その果てに、遂に松太郎が近藤の体を持ち上げた! そのまま土俵の外へと投げ飛ばし…、軍配は松太郎へと上がった。松太郎は、見事、幕下での全勝優勝を果たしたのだ!
閉じる

 

PAGE TOP