ところが次の瞬間、急に体が楽に浮くようになった。なんとゼブラが客席から、声でライフジャケットを作って飛ばしてくれたのだ。これで速く進める…と思いきや、小松はジャケットを外して欲しいとゼブラに頼む。このフェスは、超一流の料理人たちと真剣勝負できる貴重な場。小松はこの機会を、自分の力だけで戦い抜きたいと思ったのだ。やがて、希望通り消えてしまうジャケット。そして小松は、遅々としながらも正々堂々、独力で水泳を再開するのだった。…かくして、いよいよ始まったクッキングフェス。と、その様子を遠くから見つめる謎の人影があった。天狗の様な形相をしたこの男の正体とは、いったい…?