ロックの母、メスイヌのシロがトラのキラーに殺された。
幼いロックはただ一匹で、キラーに立ち向かおうとするが、とても無理、危うく命を落と すところを、森の仲間たちに救われ、大人になるまで町で暮らすことになる。勇敢なロッ クは、じきに町の野良犬たちに一目置かれるようになった。恋人のカルー、それと力強い 仲間を得たのだ。
これを知ったキラーの手下、キツネのアカミミは策略を使って、ロックを倉庫に閉じ込め、 倉庫荒らしの犯人に仕立てた。倉庫番に捕まったロックは樽に入れられて海に投げ込まれ てしまう。
その頃、森の動物たちは人間の山狩りにあって、みんな動物園に入れられてしまった。獲 物のなくなったキラーはアカミミの勧めにしたがって自ら動物園に入った。そうすれば飢 えないですむというわけだ。動物園のなかでも、動物たちはキラーとアカミミに苦しめら れることになる。
一方、海になげ込まれたロックは幸い島の小さな女の子に救われ、養われていたが、、動 物たちの運命をつばめから聞いて、いてもたってもいられなくなって島を抜け出した。
みんなとの再開を果たしたロックは、いよいよ母の仇のトラ退治に向かう。
キラーは配下の猛獣たちを動員して、雪の降りしきる動物園から遊園地を舞台に、激しい 戦いが続く。
そしてついに、ロックたちに凱歌があがった。ロックとカルーを先頭に堂々と大通りを行 進する野良犬たちが勇ましい。
世界のアニメーション界に、圧倒的存在として君臨するウォルト・ディズニースタジオ。 東映動画がこのディズニースタジオをライバルとして意識し、企画・制作した娯楽作品で す。
題材は極めて日本的でありますが、内容、表現では普遍性を重視し、国際性豊かなものと なっています。国際的というよりはむしろ無国籍的といってもいいでしょう。
動物アニメーションの技術、テクニカルな画面処理技術を駆使した映像は、それまでのア ニメーション映画にはない新しい可能性を予見させます。娯楽としてひとつの方向性を示 した代表作でもあります。