白蛇の精白娘は、幼い頃かわいがってくれた許仙のことが忘れられず美しい娘となって彼の前に姿をあらわした。二人を手引きするのは、魚の精の少青。たちまち、二人は恋に陥ってしまう。
しかし、このことはたちまち法海和尚の知るところとなり、妖怪に魅入られた若者の命を慮る和尚は、法力をもってこの恋をさまたげようと決意するのであった。白娘には恐ろしい相手である。
にも拘わらず、二人の恋は上々の首尾で、花の咲き乱れる美しい屋敷をそぞろあるきなどして、夢うつつのひとときを過ごすのであった。許仙の仲良しパンダとミミーの二人、いや二匹とも、 少青と一緒に屋敷のなかを遊び歩き、挙げ句の果てに柱の飾り龍を引きずり落としてしまった。
龍はかってに動き出し、パンダとミミー、そして少青をつかまらせたまま、夜空を飛び回って、宝物殿に落ちた。 少青はそこで宝石を拾って許仙と白娘に与えたが、これが二人を引き離すもととなる。
役人が踏み込むと、美しい屋敷はたちまち廃虚と化し、白娘は消えた。
許仙は妖術使いの泥棒の一味とされ、蘇州に流され、舟曳き人夫となって働く。いとしい許仙のあとを追ってきた白娘は、すでに先回りしていた法海和尚との法力合戦に破れ、白蛇の本体を現わす。 で、最後の力をふりしぼって幻となり、許仙の前から消えようとするが、後を追った許仙は崖から落ちて死んでしまった。
もはや、龍王にすがるしかない。白娘は自分の命を代わりに捧げる事を願うのだった。
日本が生んだ初めての本格的カラー長編アニメーション映画。公開当時、日本でもこれだけの作品が作れるのかと内外を驚かせ、東映動画の存在を一気に世に認めさせた記念すべき作品。 その初々しい感性と、作り手たちの情熱は観る者の心を打つ。今日に至るも、その作品的価値は下がるどころか、時を経るに従ってその評価は高まり、日本のアニメーション映画史上に残る名作として、多くの人々の胸に生き続けている。 海外においてもその真価を認められ、各地の映画祭での受賞、団体等からの推薦は枚挙にいとまがない。