スサノオのお母さんが死んで黄泉の国へ行ってしまった。
が、スサノオにはこのことがどうしても納得が行かない。そこでその”黄泉の国”が海の向こうだと聞いて船を作って、海に乗り出すことにした。お供はウサギの赤鼻だ。
まず、夜のオス国の兄のツクヨミに会い、ついで、高天原の姉のアマテラスに会ってお別れを言うことにする。
しかし、ツクヨミもアマテラスも、スサノオに母のいる国への道を教えてはくれなかった。アマテラスのすすめで高天原で働くことにしたスサノオであったが、失敗が重なって、とうとう追い出されてしまう。
出雲の国へやってきたスサノオは、そこでクシナダ姫に会い、ヤマタノオロチを退治した。
かくして、スサノオの新しい国作りが始まる。
日本人なら一度は手がけてみたい題材を、東映動画ならではの陣容と技術で本格的に取り組み、大成功をおさめた東映動画の歴史を飾る傑作です。
みごと様式化された美しい画面、統一のとれた動きによってえがきだされる神話の世界は、華麗でかつ奥深く、活力と冒険に満ちています。芸術性と娯楽性が調和した作品とは、まさにこのようなものをいうにちがいありません。