今日は花火大会の日。二人暮しの姉妹、姉の山田きょうは新聞配達から帰る途中で、妹を喜ばせるための計画を考えていた。妹の山田あすは朝ごはんの支度を終え、昨日のお買い物のお釣りを豚の貯金箱に入れながら、花火大会の縁日で姉を案内して楽しんでもらうこ とを考えていた。二人ともお互いを喜ばせようと花火大会を楽しみにしていたのだった。 夕方、縁日の下見から帰ったあすは、姉と一緒に遊ぶための貯金が無くなってるのを知り呆然とする。そこへ帰ってきたきょうは、妹の様子をいぶかしがりながらも貯金で買った浴衣を差し出すが、あすは「お姉ちゃんの馬鹿!」と叫んで部屋を飛び出してしまった。 浴衣を返品しようと商店街を走るあすの心の中を映したように、雨が降り始めた。