きょうが風邪で寝込んだ日。おかゆを作ったり、氷を取り替えたり、体を拭いてあげたりと姉を一生懸命看病するあすだった。その甲斐あって回復し、新聞配達 から帰ったきょうは、あすが倒れているのを発見して気が動転してしまう。実は、あすは風邪をおして姉の看病をしていたのだ。救急車の中で、母が病院へ運ば れたきり帰ってこなかったことを思い出し、妹を守るというお母さんとの約束を守れず、何もできなかったと自己嫌悪に陥るきょう。一人きりの部屋に帰って後片付けをするが、家事はろくにできず、あすのためにリンゴを剥こうとしても指を切ってしまう有様に、自分はあすがいないと何もできない、何も力になってあ げられないと無力感にさいなまれてしまう。