父との久しぶりの再会に、思わず弱音をこぼしてしまう田中。それを聞いて父親は、カバンから栗の入った紙袋を取り出した。土産として、家の裏山で取れたものを持ってきたのだ。栗を一粒受け取って、田中は故郷を思い出す。と、そこへ同門の力士たちが慌てた様子でやって来た。田中の出番が迫ってきたので探しに来たのである。大急ぎで土俵へと向かう田中。親方からも助言を貰い、勝利をイメージするよう努めるが…、脳裏に浮かぶは敗戦の思い出ばかり。結局、不安のまま土俵へ上がって、そこで田中は重大な事に気がついた。なんと手に故郷の栗を握ったままではないか。このままでは勝負以前に、反則負けになってしまう!?