暴れん坊力士!!松太郎

TV 番組

第 10 話田中の初勝利

2014/06/08放送
脚本:千葉克彦 演出:勝間田昇治 作画:鰐淵和彦・市川吉幸  美術:鹿野良行

雷神部屋へと入門し、力士として快進撃を続ける松太郎。しかし、そんな松太郎とは裏腹に、共に初土俵を踏んだ同門の力士・田中は、未だに勝ち星を挙げられないでいた。何とかして一勝をもぎ取りたい…! 仲間からも励ましを貰い、誰よりも早く起きて朝稽古に励む田中。そんな中、珍しく松太郎が練習相手を買って出た。両者、がっぷり四つに組み…、しかし松太郎は、そのまま田中を持ち上げてしまった!? その技は、まさしくブレーンバスター。まるで相撲の練習になりゃしない。しかも折り悪く、そこへ部屋頭でもある小結・猪ノ川が通りかかった。狼藉を見られ、松太郎は猪ノ川に怒鳴られてしまうのだった。
そんなこんなもありながら、松太郎と田中は、今日も今日とて国技館へと向かう。道中、憧れの君・令子サンと出会い、声援を貰ってヤル気アップ! しかし、田中は緊張の面持ち…。それもそのはず、元々が小心者であることに加え、もし今日の取り組みで負けてしまったら、今場所での負け越しが決まってしまうのだ。支度部屋へ入っても、緊張はほぐれるどころか増すばかり。気分転換に廊下へ出てみると、不意に、田中を呼び止める声があった。振り返ってみれば、声の主はなんと、故郷の秋田に居るはずの田中の父親であった。仕事で上京する機会を得て、応援に駆けつけてくれたのだ。
父との久しぶりの再会に、思わず弱音をこぼしてしまう田中。それを聞いて父親は、カバンから栗の入った紙袋を取り出した。土産として、家の裏山で取れたものを持ってきたのだ。栗を一粒受け取って、田中は故郷を思い出す。と、そこへ同門の力士たちが慌てた様子でやって来た。田中の出番が迫ってきたので探しに来たのである。大急ぎで土俵へと向かう田中。親方からも助言を貰い、勝利をイメージするよう努めるが…、脳裏に浮かぶは敗戦の思い出ばかり。結局、不安のまま土俵へ上がって、そこで田中は重大な事に気がついた。なんと手に故郷の栗を握ったままではないか。このままでは勝負以前に、反則負けになってしまう!?
いったいどうすれば…。と、その時、松太郎の声援が田中の耳へと飛び込んだ。相手を飲み込んでやれ! その言葉を、栗と共に飲み込む田中。そしてそのまま、はっけよい、のこった! 田中の相撲は、松太郎のような押し相撲ではない。キッチリと相手の回しを取っていくスタイルだ。そうして見事に相手の回しに差し込んで、寄り切っていく。しかし相手も必死に残る! やがて両者同時に土俵の外へと倒れ込み…、果たして、軍配が上がったのは田中であった! かくして、見事に勝利を収めた田中。ようやく得られた白星を眺めつつ、これからも頑張っていくことを誓うのであった。
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