暴れん坊力士!!松太郎

TV 番組

第 2 話さらば中学校

2014/04/13放送
脚本:大和屋 暁 演出:勝間田具治 作画:鰐淵和彦 美術:杦浦正一郎

時は今より少し昔…、昭和の時代。長崎のとある廃坑街に、人並み外れた巨体を持つ一人の若者がいた。その青年、姓は坂口、名を松太郎という。のたりのたりと日がな一日遊び回って、誰が呼んだか、のたり松太郎! もう二十歳であるというのに留年を繰り返し、未だ中学生をやっているというフダツキの暴れん坊だ。しかし、今日の松太郎は何やら普段と違った様子。いつものだらしない格好ではなく、ビシッとスーツに身を包んでいた。それもそのはず、実は先日逮捕された一件で、なんと松太郎は中学校を退学になってしまったのだ。それでこれから、元・担任教師であった島田に付き添われ、町へ就職活動に向かおうというのである。
町へ向かうバスの中、松太郎は憧れの君、中学の美人教師・令子センセイに思いを馳せる。しかし、島田から告げられた現実は残酷であった。なんと令子は松太郎の逮捕に責任を感じて辞職し、故郷の実家に帰ってしまったというのだ。松太郎はショックのあまり茫然自失、令子の実家近くで就職すると妄言を吐き出す始末…。島田はそんな松太郎をなだめすかし、何とか就職の紹介を受けた運送会社へと連れて行くのであった。そしてさて、さっそく面接が始まった。ところがコレが驚くことに、先方の社長は、先日の逮捕劇で松太郎に脅されていたトラックの運転手であった!
よほどの衝撃だったのだろう、社長は松太郎の顔を見るや否や、這々の体で逃げ出してしまった。こうなっては面接も何もあったものではない。松太郎と島田は、仕方なく運送会社を後にするのだった。しかし、その後も就職活動は一向に上手くいかなかった。というのも、松太郎が何かと文句を付けて嫌がるせいだ。そのワガママっぷりには島田もほとほと疲れ果て、遂には諦めてしまうのだった。ちょうどこの町へ巡業に来ている相撲でも見て、今日はもう帰るか。昼食を取りながら、そう提案する島田。しかし、松太郎はお気に召さない様子だ。男の裸なんぞを見て何が楽しいのかと、相撲を散々にこき下ろすのだった。
ところが、これが何とも間の悪い発言であった。松太郎らの席の近くに、ちょうど関取・巌の国(いわのくに)とその付き人が座っていたのだ。恐ろしい形相で立ち上がる巌の国たち。対し、ひるむどころか腕まくりして迎えようとする松太郎。島田は慌てて仲裁に入って平謝りだ。ひたすらに頭を下げて、なんとか巌の国らに許して貰うのだった。だが、巌の国が去り際に残していった言葉が、松太郎の怒りに火を付けた。巌の国の背中へ猛然と突進し、殴りかかっていく松太郎。しかし、その拳は綺麗に空を切った。代わりに返ってきたのは、巌の国の豪快な張り手一発! 見事にカウンターを食らって松太郎は吹き飛び、気を失ってノビてしまうのだった。
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