「どうしたんですか、二人とも顔色が悪いですよ?」穏やかに微笑むさなえ。「大丈夫です、今の私達にはどうにもならない事だし…」思わず本音がこぼれるなぎさ。唇をかみしめる。考えてもどうしようも無い。「どうしようも無いと思うから、どうしようもなくなっちゃうんじゃないかしら」さなえの言葉に顔を上げる。昔、自分が戦争で焼け野原になった町を見下ろした絶望感。「希望を忘れちゃダメ」その時握り締めたコミューンから聞こえた声に、気持ちを奮い立たせたという。諦めないで、いつだって絶望と希望は背中合わせにある。顔を上げるなぎさとほのか。その瞳には、確かに希望の光が宿っている。「希望を失わなければ明日はきっといい日になりますよ」