今日は音楽のテストの日。学校でクラスメイトに頼られ、何でも出来る優等生だと思われてうらやましがられているあすだったが、唯一苦手なものがあった。実はあすは音痴だったのだ。音楽の時間、あすは歌も上手いに違いないというみんなの期待の視線に途方にくれてしまう。来週回ってくる自分の順番までに、期待を裏切らないようになんとかしようと部屋で歌の練習をするあすだったが、うまくいかない。そこにきれいな歌声が聞こえてくる。歌声の主は隣の部屋の住人、一ノ倉正男だった。彼は歌手を目指しているのだが、オーディションに落ちてばかりで、ライブ活動もお金が無くって休止中、田舎に帰ることも考えたが、とりあえず今はファンの差し入れで食べているという。