初場所でみごと優勝を果たした松太郎。パレード、そして故郷への一時帰省も終え、ようやく一段落。そんな折、雷神部屋が他部屋と合同で大阪巡業へ出る事になった。本場所へ来られないファンと交流できる機会とあって、部屋の皆は準備に大忙し。特に序ノ口力士の面々は、兄弟子らの荷物の支度もしなくてはならないので大変だ。だが、その中で松太郎だけが面倒臭がって何もせず…。ともあれ、いよいよ出発の日となった。大阪行きの列車へ乗り込むなり、早くも弁当を平らげてしまう松太郎。しかし全く物足りない。面倒で荷の用意をしなかったので、他に食べ物は何もナシ。そこで松太郎は、食堂車へ行ってみる事にするのだった。

ところが食堂車では、松太郎の注文は全て断られてしまった。松太郎の行動を見越した雷神親方が、あらかじめ乗務員に根回ししていたのだ。結局、何も食べる事ができないまま、食堂車を後にする松太郎。すると今度はあろう事か、兄弟子らの荷物を勝手に漁り、食料を奪い始めてしまった。さすがにこれは見過ごせないと、一緒にいた田中は咎め、親方らが乗っている展望車へと松太郎を連行する。しかし松太郎は開き直り、空席へ勝手に座って、奪ったお菓子を食べ始めてしまう始末。このままでは、また親方の血圧が上がってしまう…。仕方なく田中は、松太郎を引っ張って元の一般車両へと戻るのだった。

と、その時、急に松太郎の腹へ痛みが差し込んだ。どうやら盗み食いした食料の中に、傷んだモノが混ざっていたようだ。慌ててトイレへと駆け込む松太郎。一方その頃、トイレの外では、松太郎の荒らした荷物が見つかって大騒動となっていた。もしや泥棒か！？　ざわめく雷神部屋の力士たち。と、そこへ松太郎が怒って戻って来た。人に傷物を食わせやがって！　その言葉で、力士たちも荷荒らしの犯人が誰なのか察したようだ。松太郎をとっちめようと迫る力士たち。腹痛で調子の出ない松太郎は、じりじりと追いつめられていく。と、そこへ猪ノ川関が血相を変えて現れた。なんと雷神親方が行方不明になってしまったらしい…！

もしや松太郎が電車の外へ突き落としたのでは？　向けられる殺人疑惑。松太郎は否認するも、素行の悪さからまるで信用されない。やがて松太郎は列車から降ろされ、警察に突き出されてしまうのだった。だがその時、そこへ一台のタクシーがやって来た。現れたのはなんと雷神親方。実は松太郎がトイレへ籠もっていた為に用が足せず、駅へ電車が止まった際に、やむなく外の便所へと向かったらしい。ところがその間に列車が発進、置き去りになってしまった。それでこうして慌てて車で追いかけてきたのだという。自業自得とは言え、誤解で殺人犯扱いされた松太郎は大激怒！　しかし再び腹痛に襲われ、トイレへ駆け込む事しかできないのであった。