成り行きでテアを旅の仲間に加えたものの、彼女の素性は依然不明のままだった。それどころか、コミュニケーションを取れば取るほど、彼女のミステリアスな部分はさらに深まっていく…。月を見上げ、理由も分からず涙を流す姿。どこか月が懐かしいという言動。力自慢のミスズを、軽々と投げ飛ばす腕力。たった一晩で、傷跡もなく完全回復してしまう治癒能力。何より、ズィルバーとシンクロする不思議な力…。果たして彼女は、月の人間なのか? オリンシス現象でどこかの時間軸から飛ばされてきた存在なのだろうか…? そんな中、ブライアンは、彼女が発する名前にまたもや首をかしげていた。「コウイチ…まさかな」。そう、まるで『コウイチ』という名に心当たりがあるかのように…。